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三代目ブログ
2019.01.05

2019年こそ米屋の出番!

皆さん、あけましておめでとうございます。

小池精米店・三代目、お米マイスター五ツ星の小池理雄(ただお)です。

さて例年通り?の年に1回のブログ更新の時期です(笑)。

とはいえ年に1回でも皆さんに対して「今年の目標」をコミット?させて頂けるのは僕にとって非常に意義のあることです(勝手にやっているのですが(笑))。もちろん、振り返りにもなりますし…。

※所々に出てくる写真は文章とは関係ありません。昨年の思い出アルバムです(笑)。

昨日まで正月休みで、妻の実家に帰省していました。

あまり普段は立ち寄らない家電量販店で炊飯器コーナーを覗いてみたのですが…。

この家電量販店さんでは、あまりに炊飯器の種類が多い!ということで、それぞれの特徴を「釜」「浸漬」「熱量」「むらし」「IHか否か」「圧力か否か」等々の色々な切り口でカテゴライズしたパネルを展示していました。お陰で各メーカーの特徴というのは良く分かるのですが、結局のところ…

どれを選べばいいの?

の解にはつながっていないように見えました。

消費者の関心はそこなのでしょうか?スペックはあくまでもお米の味を決める要素の一つ。

どういった味に仕上がるのか?

お客様の関心はそれに尽きると思います。

もちろん他にも興味を示すポイントはありますが、真っ先に思い浮かぶのは間違いなくそれです。僕がイベントで話したときに出てくる質問の9割は「お米の味」に関する内容ですから…。

最近、色々な品種が出てきています。

昨年であれば新之助、青天の霹靂、金色の風などなど。今年であれば雪若丸、いちほまれ、だて正夢などなど。

こういった品種が出れば出るほど消費者は迷います。

なぜか。

お米の味はそれほど分かりやすいものではないからです。味だけの違いというのが実は非常に分かりにくいからです。美味しいお米(自分好みのお米)が欲しいのに、それについての情報が少ないからです。あっても通り一遍のことしか書いてないからです。

よく店頭に立っていると「おすすめはありますか?」と訊かれます。でも考えてみてください。そもそも「おすすめできない」お米は販売していません。ではなぜこういった質問が出るのでしょうか?それは店頭にポンと置いてあるお米の情報だけでは判断がつかないからです。

パン屋さんでこういった質問をする人、あまり見かけません(たぶん)。それはパンは形や香り、質感と言った様々な違いが「見た目の情報」としてはっきりと分かるからです。

お米は見ただけでは分かりません。せいぜい、品種名と産地くらいです。

そう自分が欲しいお米を選ぶには、情報が足りないのです。

「炊飯器」の事例といい、「新品種盛りだくさん」の事例といい、「おすすめは?発言の多用」の事例といい、なぜかお米には消費者が迷うことばかり。

そう。

だからこそ、今こそ、お米屋さんの出番なのです。

僕は今の時代だからこそますますお米専門家が求められているのだ、と思っています。

今までは「コシヒカリかあきたこまちを買っておけばいいでしょ」という時代でしたが、いまはお米の品種やお米にまつわる器具など、選択する場面が増えてきているのです。なのに、その選択するために必要な情報量が圧倒的に少ない(正確に言うと少量しか見せていない)のです。

そう、だからこそ「必要な情報」を適切なタイミングで、適切な量で、正しい内容で示すことにより、消費者の皆さんは「自分好みのお米」に辿り着くことが出来るのです。

少し偉そうですが(笑)、そこまで導けるのは、そう、お米屋さんだけなのです。

いや、本当はそれ以前にまずはお米に関心を持ってもらわねばなりません。糖質制限云々ではなく、「何はともあれお米」「ああ、お米が欲しくなる!」「お米って面白い!」という人をまずは増やさなくてはなりません。

昨年、めでたく出版することが出来た書籍「お米の世界へようこそ!今日からあなたもごはん党」(経法ビジネス新書)もその活動の一環です。

今年も、昨年に引き続いて「ごはん党」を増やし、「米漬け」にする1年にしたいと思っています。そのために…

今年は、もう1冊、雑誌で連載を持つことになりました。

昨年に引き続き、6次産業化プランナーとして産地のあちこちに顔を出すことも決まっています。

日にちは未定ですが、大きなデパートさん主催の社会人教室でもコマを持つことになりました。

その他諸々企んでます(笑)。

昨年は講演やイベントで20回近く人前で話す機会を頂戴しましたし、今年も引き続き「お米情報」を積極的に発信することにより、まずは消費者の皆さんを「こちら側」に引きずり込むことが出来ればと思っています。

念ずれば通ず。

昨年のブログにも書きましたが…間違いなく米屋を継いだ頃には思いもつかなかった未来を、今、体験しています。

今年も間違いなくそういった年になるでしょう。

今年も皆さんにとって、そしてお米にとって良い年でありますように!

2019年1月5日

小池精米店・三代目、五ツ星お米マイスター

小池理雄(ただお)

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